不妊治療コラム

COLUMN

妊婦さんに必要な葉酸について

葉酸は水溶性ビタミンで、ビタミンB群に分類されます。ホウレンソウの葉から発見されたことが、名前の由来となっています。

妊活中や妊娠中の女性が、妊娠前4週から妊娠12週までの期間、葉酸サプリメントによって毎日葉酸を400μg(0.4mg)摂取すると、赤ちゃんに神経管閉鎖障害が起きるリスクが低下することがさまざまな研究によって示されています。

神経管閉鎖障害には、二分脊椎、無脳症、脳瘤などがありますが、妊娠6週頃に発症して、

脳と脊髄の働きを障害します。このうち二分脊椎は多くが出生後に治療を必要とします。

日本では2000年に厚生省(現厚生労働省)から、妊娠を計画する女性が栄養バランスの取れた食事(葉酸量0.4mg/日)に加えて栄養補助食品から0.4mg/日の葉酸を摂取することによって神経管閉鎖障害の発症リスクを下げられると通知が出されました。

1日の葉酸摂取量が1mg程度(体重55kgとした場合)であれば、過剰摂取とはなりません。

参考: https://www.mhlw.go.jp/content/000776926.pdf

また葉酸は「貧血を防ぐ」、「口内炎を予防する」、「病気に対する抵抗力を高める」などと言われており、赤血球の形成やDNA合成に関わります。そのため、妊娠前後に限らず男女とも全ての世代の人にとって必要な栄養素です。

妊娠前後の葉酸の摂取により、ご自身と赤ちゃんの健康を守りましょう。

ちなみに毎年4月3日は「葉酸の日」です。4月は葉酸摂取による神経管閉鎖障害予防月間と定めています。