不妊治療コラム

COLUMN

風疹の予防接種について

風疹の予防接種をおこなう第一の目的は、先天性風疹症候群を予防することです。日本では風疹の予防接種を受ける人が多くないため、各地で小さな流行が生じています。風疹にかかったことがなかったり、予防接種でつけた免疫が弱くなってしまった妊婦が流行に巻き込まれてしまうことがあります。

多くの人が予防接種を受けて風疹の流行がなくなれば、妊婦への危険もなくなります。

先天性風疹症候群とはどんな病気ですか。

妊娠初期(妊娠20週まで)にかかると難聴、心疾患、白内障、あるいは精神や身体の発達のおくれなど、障がいをもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。これらの障がいを先天性風疹症候群といいます。先天性風疹症候群が起こるかどうかは、妊娠のどの時期に風疹にかかったかによります。また、先天性風疹症候群の赤ちゃんがこれら全ての障がいをもつとはかぎりません。

女性が風疹の予防接種を受ける場合に注意すること

妊娠中は風疹の予防接種を受けることができません。

妊娠可能な年齢の女性は、妊娠していない時期(生理中、またはその直後が確実)に接種をうけて、その後2ヶ月間は避妊をしてください。

風疹のワクチンはたいへん安全で、妊娠中に接種をうけたために障がいがでたとの報告はこれまでにありませんが、念のため注意が必要です。なお、MRワクチン接種後の授乳はもんだいありません。

風疹予防接種の副反応について

麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)は副反応の少ない安全なワクチンの一つです。しかしごく稀にショックや全身の蕁麻疹などと認めることがあります。

厚生労働省の予防接種後副反応報告書集計報告書によると血小板減少性紫斑病は140万人の接種で1人程度と報告されています。ただし、自然に風疹にかかって血小板減少性紫斑病となるのは3000人に1人程度なので、ワクチン接種による副反応の方がはるかに稀です。