不妊治療コラム

COLUMN

不妊治療の保険適用と、治療開始のタイミング

不妊治療が保険適用にという話題が、昨年から新聞やメディアで取り上げられるようになりました。今年に入り、実現へ向けて動き始めています。

昨年12月に閣議決定された「全世代型社会保障改革の方針」では少子化対策として不妊治療への保険適用を早急に実現する、具体的には令和3年度(2021年度)中に詳細を決定し、令和4年度(2022年度)当初から保険適用を実現することとし、とあります。工程表でも示されていますが、2021年6月には日本生殖医療学会より、生殖医療ガイドライン原案と方針が公開されました。生殖医療の保険適用化にあたり、医学的エビデンスに基づいた治療、有効性・安全性が明らかな治療、治療の標準化等を目的とし、ガイドライン作成が行われています。


(出典 全世代型社会保障改革の方針)

不妊治療を取り巻く環境は、大きく変わろうとしています。このような中で、一体いつからどんな治療をすればいいのか、自分に不妊治療は必要なのか、と不安で受診される患者様も多くおられます。

ここで必要なことは、ご自身の状況を正確に把握することです。卵巣の機能はどうか、排卵はできているか、骨盤内に妊娠しづらくなるような病変はないか、卵管は通っているか、ホルモンの分泌に問題はないかなどの検査、既往歴やご年齢から、今すぐに高度生殖医療等の治療を開始した方がいいのか、あるいは少しずつ段階的に開始すればいいのか、治療はまだ必要ないのか、お伝えすることができます。

現状では、高度生殖医療は自費診療ですので助成金制度はあっても、保険診療に比べると治療費がかかってしまいます。

ご自身の状況をしっかり把握することで、医療保険制度の変化の時を、少しでもご不安なく過ごせるのではないでしょうか。変化する時だからこそ、まずはご自身に必要なものを選択できる環境を整えましょう。