不妊治療コラム

COLUMN

先進医療をわかりやすく解説します。

先進医療とは保険診療との併用が認可された医療行為です

皆さんがご存知のように、日本では公的医療保険のおかげで保険診療の場合は一部の負担で医療を受けることができ、
保険適用外の診療(自由診療)においては自己負担率100%となっています。
そして保険診療と自費診療の併用は混合診療と基本的には認められておらず自己負担率100%となってしまいます。
ただし例外的に先進医療として厚生労働省が認めた医療技術に限り、保険診療との併用が可能です。

また先進医療は、皆さまが加入している民間の医療保険の給付金対象である場合があります。

下記リンクは現在の不妊治療における先進医療の状況を厚生労働省が公開しているページになります。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/funin_senshin.html

下記リンクは先進医療を実施している医療機関の一覧です。

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html

日浅レディースクリニックは以下11項目に掲載があります。

  • PICSI(ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術)
  • タイムラプス(タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養)
  • EMMA/ALICE(子宮内細菌叢検査)
  • ERA(子宮內膜受容能検査)
  • SEET法(子宮内膜刺激胚移植法)
  • 子宮内膜スクラッチ(子宮内膜擦過術)
  • 二段階胚移植法(二段階胚移植術)
  • 子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査)
  • 子宮内膜受容期検査(ERPeak)
  • ZyMot (膜構造を用いた生理学的精子選択術)

子宮内膜刺激術 SEET法

体外受精-胚移植の着床不全の原因のひとつに受精卵と子宮内膜の反応不全があります。
培養液中の胚由来の因子や着床継続を促す情報伝達物質により子宮内膜を刺激し、胚が着
床するための準備を胚移植の前に促す方法です。
ある研究では着床準備のためには、受精卵からのシグナル(胚因子)が必要であり、それ
と同調し子宮内膜は着床環境を整えている(Implantation windowを開く)と考えられていま
す。
胚盤胞移植単独ではそのシグナルを送るタイミングがないため着床不全の原因の1つにな
ると言えます。胚を培養した胚培養液を凍結しておき胚移植数日前に子宮に注入し、胚移
植を行います。

タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養

定位置・一定間隔で撮影した画像を連続して映し出すタイムラプスというシステムを用い
た撮像法で受精卵及び胚を観察する技術です。 従来では観察することができなかった胚の
分割や成長速度の異常などがよく分かり、正常に発育する胚を見分けることができます。
この先進医療によって正常に発育する着床可能な胚を選別することで、妊娠率や培養成績
、さらには着床率や生産率の上昇が期待されます。

子宮内膜擦過術

子宮内膜の細胞を採取する器具を使って、子宮内膜を擦って軽微に損傷させることで、胚
の着床・妊娠率を向上させることを目指す技術です。 胚移植を予定している一周期前の黄
体期に実施します。器具を子宮内膜腔に進めてから、同じ方向に数回回転させて子宮内膜
を擦ります。次の周期に胚(受精卵)を子宮に戻します(胚移植)。 この先進医療によっ
て、反復して妊娠に至らなかったケースでも、妊娠率が高まることが期待されます。

ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術(PICSI)

顕微授精で精子を選別する際に、顕微鏡下でヒアルロン酸を使って成熟精子を見つけるた
めの精子の選別法です。 DNA損傷が少ない成熟精子はヒアルロン酸に結合できるという特
徴を利用するもので、ヒアルロン酸に結合した精子を選別し、顕微授精を行います。 この
先進医療で成熟精子を選別して顕微授精を行うことで、染色体数に過不足がある受精卵の
うちで異数性胚が発生する割合を下げ、流産率も低下させることが期待されます。

子宮内膜受容能検査1(ERA)

次世代シークエンサーにて子宮内膜組織に発現する236種類の遺伝子を網羅的に解析し、
子宮内膜組織が胚(細胞分裂をした受精卵)の着床が可能な受容期にあるか否かを調べる
検査法です。遺伝子の発現状況から受容期でないと判断された場合、受容期の遺伝子の発
現状態との比較により、適切な胚移植の時期を導き出します。子宮内膜の着床能を遺伝子
レベルで解析することで、患者様ひとりひとりの受容期を特定することができます。適応
となるのは、これまでの不妊治療で繰り返し着床や妊娠に至っていない患者さんです。
胚が子宮内膜に着床しやすい受容期に胚を子宮に戻す(胚移植)ことで、着床率や妊娠率
が改善することが期待されます。

子宮内細菌叢検査(EMMA/ALICE)

子宮内が妊娠に適した状態かどうかを調べるため、採取された子宮内膜の検体からDNAを
抽出した後に、子宮内膜の細菌叢を次世代シークエンサーで網羅的に分析する検査です。

慢性子宮内膜炎(のリスク)の有無や、細菌のバランスや量などが分かります。 これで子
宮内細菌叢の異常などが検出されれば、生殖補助医療の前に生活指導や抗菌薬治療などが
検討されます。子宮内が妊娠に適正な状態かどうかを判断した後に、妊娠に向かうことに
より、着床率・妊娠継続率の向上や流産率の低下が期待されます。

二段階胚移植法(二段階胚移植術)

季後系切期応を移植し、後日、雑談培選を行った別の紙袋地を移植する技術です。

子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査)

層富のの 要戦』は号機であるのか、異常であるのか、またその菌の種類の組成を判断する検査です。

子宮内膜受容期検査(ERPeak)

子盒内膜を採取し、RT-aPCRを用いて遺伝子の発現を解析し、内膜組織が着床に適した状態であるのかを評価する検査。

ZyMot (膜構造を用いた生理学的精子選択術)

特殊な膜構造を用いて、成熟精子の選択を行う技術です。