不妊治療コラム
COLUMN
凍結胚移植のスケジュールについて ART08
凍結胚移植のスケジュールについて
当院では、自然排卵に合わせて行う「自然周期」と、
ホルモン剤でスケジュールを整える「ホルモン補充周期」の
いずれかの方法で凍結融解胚移植を行っています。
近年の報告では、ホルモン補充周期で妊娠された方の一部に、
妊娠高血圧症候群や癒着胎盤などの産科合併症が増加する傾向があることが指摘されています。
そのため当院では、患者様一人ひとりの状態やライフスタイルを考慮し、
最も適した方法を選択しています。
自然周期での胚移植
スケジュールの目安:月経開始から 約3週間(排卵日により変動します)
診療回数の目安:3~5回程度(※個人差・周期差があります。移植日と判定日を含みます)
月経開始後の初回受診
- 月経7~10日目頃に受診
- 経腟超音波で卵胞の大きさ・子宮内膜の状態を確認
- 必要に応じて採血を行い、ホルモン値をチェック
- 排卵までに時間を要する場合には、排卵誘発剤を使用することがあります
移植日の決定
- 卵胞の発育・内膜の厚さ・ホルモン値を確認
- 結果をもとに排卵日を予測し、胚移植の日程を決定します
- 条件に応じて、黄体ホルモン補充を開始することがあります
胚移植
- 当日は凍結胚を融解し、移植を行います(13時から15時 変更になる可能性があります)
- 柔らかいカテーテルを使用するため、痛みはほとんどありません
- 移植後は特別な安静時間はなくご帰宅いただけます。
妊娠判定
- 移植から約12日後に受診
- 採血(hCG測定)により妊娠の有無を確認します。
ホルモン補充周期での胚移植
スケジュールの目安:月経開始から 約3週間から4週間程度
診療回数の目安:3~4回程度(※個人差・周期差があります。移植日と判定日を含みます)
ホルモン補充周期では、エストロゲンやプロゲステロン(黄体ホルモン)を使用し、子宮内膜を着床に適した状態に整えながら、計画的に胚移植日を決定します。自然な排卵が起こらないようにホルモンで調整することで、
移植日を事前に確定しやすい点が大きな特長です。
月経開始後の初回受診
- 月経2~3日目までに来院
- 経腟超音波で卵巣・子宮内膜の状態を確認
- 問題なければ、月経2日目よりエストロゲン製剤(内服・貼付)を開始
ホルモンの力で排卵を抑えつつ、子宮内膜を厚く整えていきます。
内膜状態評価と移植日設定
- 貼付剤や内服薬(エストロゲン)開始から10~12日後に受診
- 超音波で内膜の厚さ(目安7mm以上)や形状を確認
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)製剤を開始の設定
胚移植
- 当日は凍結胚を融解し、移植を行います(13時から15時 変更になる可能性があります)
- 柔らかいカテーテルを使用するため、痛みはほとんどありません
- 移植後は特別な安静時間はなくご帰宅いただけます。
妊娠判定
- 移植から約12日後に受診
- 採血(hCG測定)により妊娠の有無を確認します。