不妊治療コラム

COLUMN

受精方法について

今回は、私たち胚培養士から「受精方法」についてお話します。

受精方法には体外受精(媒精法)と顕微授精があります。この二つの方法を組み合わせた「split:スプリット」と呼ばれる方法もあり、患者様の状況に合わせて受精方法を提案させていただきます。

〇体外受精(媒精法)

体外受精(媒精法)とは、採卵にて卵巣から採取した卵子に調整した運動精子をふりかけ、自然に受精が起こるのを待つ方法です。この方法では精子が自力で卵子に到達するため、体内での自然な受精に近いプロセスといえます。

▽媒精後の様子

右半分にみえる点状のものが精子です。

精子の数が少ない、動きが十分でない場合は受精率が低くなる可能性があります。

また、抗精子抗体が存在する場合は受精が起こらない(=受精障害)が起こる可能性があるため顕微授精をお勧めします。

〇体外受精(媒精法)が選ばれるケースは?

・卵管閉塞や原因不明不妊などで、卵子と精子の出会いの場をつくることが目的の場合

・精子の数が少ない、動きが弱いが顕微授精を要するほどでない場合

・人工授精で成果が得られなかった場合

・初回の体外受精で自然に近い形で試みたい場合

など


執筆担当: 黒木