不妊治療コラム

COLUMN

2024年の治療成績

2024年の治療成績をまとめましたので公開させていただきます。

妊娠患者数

一般不妊治療(人工授精を含む)168名
ART(高度生殖医療)310名
妊娠患者総数478名

 

一般不妊治療では、排卵障害を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者様に対して、2022年から保険収載された排卵誘発薬のレトロゾール(フェマーラ)の有効性が高いと考えます。

もともと海外ではPCOS治療の第一選択薬となっているのはレトロゾール(フェマーラ)です。

単一排卵誘発を目的とする一般不妊治療では、それぞれの患者様の卵巣の状況に合わせた排卵誘発薬の選択が重要です。

高度生殖医療について

採卵周期672周期平均年齢 36.9歳
胚移植周期693周期平均年齢 36.1歳

2022年4月から高度生殖医療を含む不妊治療が保険収載されて以降、治療周期数は毎年増加しています。ART開始年齢も低下しています。

一方で保険での治療回数が終了して自費治療へ移行して当院へ転院される方もいらっしゃいます。その場合にはこれまでの治療経過、治療結果から更にできることはないか、自費診療となることで可能になる治療や検査も含めて、それぞれの患者様についてご相談しながら治療方針を決定致します。

妊娠成績

凍結胚移植693周期平均年齢 36.1歳妊娠率 44.7%(310名)流産率21.6%(67名)

当院での体外受精における妊娠率は平均44.7%と全国平均37.8%(2022年日産婦)に比較して高い妊娠率となりました。2023年は胚移植周期数が638周期、妊娠率は44.2%でしたので、高い水準であった昨年をも上回る妊娠率となりました。また、胚盤胞移植の凍結胚移植の妊娠率は45.3%でした。

保険診療では移植回数に回数制限が設けられているため、移植の精度をいかに上げていくかが大変重要です。採卵でも移植でも、保険診療と併用して選択可能な先進医療を必要に応じて検討することが重要になります。良好胚を確保するためにできること、着床のためにできることをそれぞれの患者様で検討しています。